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お客様に感謝の言葉をしたためよう

お客様や協力企業からより多くの「ありがとう」を集められる会社でありたい。

このユニオンテックの企業使命を果たしていくにはどうしたらいいのか。よし、日々の業務に落とし込もう--。こうして3年前に始まったのが、ご縁があったお客様に社員から送る手書きのありがとうハガキです。

なぜ、手描きに限定しているのか?

一番気持ちが伝わる方法は何かとゴールから考えていくと、ワープロの文字では力不足。手描きしかありません。ただ、最初はみな抵抗がありましたね。顔なじみのお客さんに手書きのハガキを送るなんて気恥ずかしい。そう思う社員が多く、なかなか実行に至りませんでした。

そこで、私、大川祐介が 考えたのが強化月間の設定です。毎年12月と5月は最低でも3枚のありがとうハガキを送ることを義務付けました。つまり、年間の最低枚数は6枚になるわけです。強制力を持たせたところ、社員の反応が変わりました。ハガキを出すと、先方からお礼の電話やハガキが返ってきます。そうなると悪い気はしませんよね。うれしくなる。やってよかったと思うようになる。そして、また感謝の気持ちをしたためようと積極的になる。この好循環が回り始めたんです。

このありがとうハガキは、お客様にリピートしていただこうと思って始めた制度ではありません。これで仕事を取れるなんて思っていない(笑)。そもそも、ありがとうハガキに即効性はないんですよ。

でも、行動として地道に取り組むことでお客様とのパイプが太く強くなる。つまり信頼関係が高まるということ。これこそ何よりの収穫です。

社内を行き来する年間18000枚の「ありがとうカード」 イメージ 社内を行き来する年間18000枚の「ありがとうカード」 イメージ

社内を行き来する年間18000枚の「ありがとうカード」

ありがとうハガキと同時期に、ありがとうカードもスタートしました。こちらは、お客様ではなく、社員同士で感謝の気持ちを伝えるツールです。仕事上で何か手伝ってもらった時に口頭で「ありがとう」と伝えるだけでなく、カードに言葉を書いて相手のデスクトップに差してもらっています。

ありがとうの内容は何でもいい。「急に現場で人出が足りなくて困っているときに電話を入れたら、夜間にもかかわらず手伝いに来てくれて、ありがとう」でもいいし、「現場から総務に電話を入れたらすかさず事務処理をしてくれた。迅速な対応をありがとう」でもいい。ありがとうの言葉を贈りたくなるシーンは仕事をしているといくらでもあるはずです。「飲みに連れて行ってくれてありがとう」でもいいじゃないですか。感謝の気持ちを抱いたら、それをカードに記して相手に伝えて欲しい。そう思って始めました。

「ありがとう」の数はグラフ化し、オープンにしています。最初は年間に3000枚程度でしたが、いまでは月間1500枚ものありがとうカードが社内で行き来しています。感謝の言葉を聞くのはうれしいものですよね。悪い気がする人なんて絶対にいません。自分がしてもらったらうれしいことを、今度は自分が誰かにしてあげたくなる。社員同士の結束力が固まったことを実感しています。

サイコロを振ってインセンティブを獲得 イメージサイコロを振ってインセンティブを獲得

サイコロを振ってインセンティブを獲得

この「ありがとうカード」も最初はなかなか定着しませんでした。どこまでを「ありがとうカード」にしていいのか判断がつかず、躊躇する社員が多かったからです。

そこで「ありがとうアワード」を作りました。アワードには賞品は欠かせません。とはいえ、普通に報奨金を与えたり、賞品をプレゼントするのではつまらない。私、大川祐介としては 何か楽しさがほしい。本人も経営陣も楽しめるようにしたい。

思いついたのがサイコロをふって、出た目に応じて手当を獲得できる仕組みです。ギャンブル性を持たせ、そのときの運で予期せぬことが起きるなんて、わくわくしませんか。

運は大事ですからね。ただし、運のウエイトが高くなりすぎてはまずいので、1ヶ月の間に誰にいつ何をして、どんな「ありがとう」をもらったのかを自己PRシートにまとめてもらい、毎月提出してもらう形にしました。

このシートを役員と部長の計6名が毎月評価します。各自の持ち票は3票。どの「ありがとう」がいいかを判断し、持ち票を投じるんです。1人に3票すべてを投じてもいいし、6人に0.5票ずつ入れてもいい。票をもらった人は全員が、月に一度の経営ミーティングの場に呼ばれて、集まった票の分だけサイコロを振ります。仕事でどうしても来られないという場合は、電話でやりとりしながら、「今から振るよ」と代理人がサイコロを投げる。サイコロの遠隔操作です(笑)。

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動機は不純でも構わない

サイコロを振る数は、1票を1回分として算出します。1票だったら1回、3票だったら3回。手当の額は、出た目の数×1000円ですが、1の目は7000円に設定しています。つまり、2の目が一番安くて2000円。平均4000円ですね。

毎月の経営ミーティングには、平均して10人以上は来るでしょうか。中には8票を獲得し、3万~4万円のインセンティブを得る社員もいますよ。「ありがとう」を集めたいという企業使命に即しているし、何より楽しく面白い制度だと自負しています。

この経営ミーティングの場には、誕生月の社員も呼ばれます。そう、同じようにサイコロを振るんですよ。誕生日を迎えた社員に一律いくら送るという制度を設けている会社は多いようですが、それでは面白みがない。楽しい仕掛けで誕生日を祝いたかったのでサイコロを振る形を取り入れました。

正直なところを言えば、自分としては社員に何らかの形でサイコロを振らせたかった(笑)。動機としてはこちらが先です。といっても、ただサイコロを振らせるわけにはいかないですよね。意味がいります。そこで考えたのが「ありがとう」と結びつける制度です。

動機は不純でも構わない。これは私、大川祐介の持論でもあります。こう思われたい、儲けたい、稼ぎたい。なんでもいいんですよ。その目的のためにがんばっていると、意識と責任が伴ってくる。実現すればそれがスタンダードになります。つまりアベレージが上がるということ。それは、不純の塊だった自分がよく知っています。動機が何であれ、大事なのは目的に向かって努力することですよ。

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アワード表彰者は社員満足追求委員会の委員に

ありがとうアワードに話を戻しましょう。

社員がもらった「ありがとう」の数は毎月グラフ化し、1年に一度、他の社員からもらった「ありがとう」の数や、お客様からもらった「ありがとう」の内容、そして日々の活動から経営陣が総合的に判断した上で、上位1位~4位を「年間ありがとうアワード」として表彰しています。4位までという中途半端な数なのは、社員の10分の1がちょうど4名にあたるからです。

ここで選ばれた人は、いってみればユニオンテックの代表。企業使命を誰よりも体現した人物です。上位入賞者には年に一度、社員全員が集まる食事会で表彰し、手帳や財布といった選ばれた人にふさわしいモノを会社側から贈り、さらにサイコロを振る権利も授与していますが、彼ら彼女たちには義務も発生します。社員の代表としてユニオンテックをより楽しくより効率的な会社にしていくために、社員満足追求委員会の委員となり、社内のさまざまな不満を取り除くために活動してもらうんです。

委員としての手当は毎月3900円。つまり、サン・キュー。「ありがとう」の意味を込めて、私、大川祐介がこの金額にしました。どんな活動をしているかといえば、毎週水曜日をノー残業デーにしたり、社内の荷物を入れる倉庫を作ったり、冬場の乾燥対策として加湿器を入れたり、本当にさまざま。東日本大震災の後、東北にボランティア活動に行こうと呼びかけたこともあるし、ペットボトルのキャップを回収して車いすやワクチンを送る団体に寄付したこともありました。

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業務に良い影響を与える「何か」を提案する

こうした活動は、半年に一度、委員会が全社員を対象に実施するアンケートの結果がベースになっています。無記名のアンケートにはいろいろな不満が寄せられます。委員会はそれらを「すぐに解決すべき」「後で対応する」「対応の必要なし」に分けて、対応をするわけです。

基本的には会社は委員会の要望を実現させたいというスタンスですが、中にはすぐに実現できない要望もあります。無意味のものもあるかもしれない。そこで委員会は経営陣と毎月1回、内容のすり合わせをします。何のためにやるのか、どんな効果があるのかを委員会からヒアリングするんですよ。

これまでに、花見、屋上でのバーベキューの開催提案や社員旅行をなくそうという提案もありました。社員旅行の中止要望は社員数が増え、全員が集まるのが難しくなったからですが、経営陣とのすり合わせの結果、結局、社員旅行は5周年、10周年といった周年で実施することにし、毎月集めていた親睦会費は別の形で有効利用することにしました。社員旅行の会費は会社が負担して、集めた会費は、3ヶ月に一度、良い空間で感性を磨くためにレストランに行ったり、年に一度、一流のホテルの内装やサービスを知るための宿泊費用などに充てています。消防法についての知識を深めるために、地元の消防署に掛けあって講義をしてもらおうという提案もありました。

このように提案の種類は型にはまっていません。ほんのちょっとした不便の解消から、こうした講義に至るまで幅広い。ただし、共通の目標があります。社内満足追求委員会が目指すところは一つ。業務に良い影響を与え、みなが快適に効率よく働ける環境を作るための提案であることです。