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協力会社さんとの間に地道に築き上げた信頼関係

お客様や社員を大切にすると同時に、協力会社さんも大切にしたい。これは、私、大川祐介の一貫した考えです。

クロス職人として会社を創業した当時から、この考えはまったく変わっていません。当時は、タウンページで業者さんを探しては、仕事をお願いしていました。やがて、おつきあいのあるガラス職人さんから塗装職人さんを紹介され、そこからまた大工さんを紹介され、といった具合に、一つの業者さんから別の業者さんを紹介してもらう形で、徐々に仕事のネットワークが広がっていきました。

一つ一つ、協力会社さんとの信頼関係を地道に築きあげることで、ユニオンテックは大きくなれた。信頼関係の積み重ねは、ユニオンテックの成長の軌跡そのものです。

もっとも長くおつきあいしている会社は、壁を立てたり、天井を作ったりするといった作業を手掛ける軽鉄ボードの会社です。ユニオンテックがまだ下請け業者に過ぎなかったころ、この会社も同じように下請けの会社でしたが、互いに技術を磨き、単価を上げ、ともに事業規模を拡張することができました。

過去も現在も、そしてこれからも、ユニオンテックの大事な協力会社さんの一つです。

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1ヶ月でエステサロンを完成させてほしい

協力会社さんのありがたみを心から実感した、忘れられない物件があります。あれは、私、大川祐介が26才のときでした。

発端は、元請けの会社からある日、かかってきた1本の電話でした。

「自由が丘のエステサロンをなんとか完成してもらえないか」

切実な声にノーとは言えず、その日のうちに届けられた図面をもとに、3日間ほぼ徹夜をして見積もりを出したら、翌々日に「決まったから」という連絡が入りました。そして、「来週から始めるよ」と言われたのです。

しかし、私はまだ現場も見ていません。どう考えても無茶だ。しかし、お世話になっている元請け会社の役員から「頼みます」と言われると引くに引けません。

着工は7月上旬で8月中旬渡し。他の業者ではその工期では難しいからと、こちらに依頼が入ったわけですが、あまりにも無謀なスケジュールです。

しかし、私の頭の中には、「もしこれをやりきったら、うちの価値がアップするな」という読みがありました。そこで、3人でチームを組み、まずは現場に足を運んだのですが、現場を見ると、ますます「無理だ」という思いは強くなりました。

なぜか。そのエステサロンは実に豪華な造りでした。広さは2フロアで120坪。坪80万円クラスの内装で、室内には硝子の滝や噴水が設けられ、天井の段もたくさんある。それらに加えて、室内にコンクリートで階段を作らなければならず、床の上がり下がりも複雑でした。著名な女性デザイナーによる空間デザインは「豪華」のひとこと。それはとりもなおさず、大変な手間を要する案件だということです。

もう間に合わない イメージ もう間に合わない   イメージ

もう間に合わない

忘れもしません。次の日からはもう休みなど取れなくなると覚悟した私、大川祐介は、現場を下見したその日の夜、「明日から頑張ろう」という意味合いを込めて、チームの3人のスタッフと飲みに行き、翌日、意気揚々と現場に出向きました。

しかし、現場には誰も来ません。一人はインフルエンザにかかり、他の一人は他の現場に回っているため来られなかったためです。

残されたのは自分だけ。もう覚悟を決めるしかありません。電気、空調、給排水、コンクリートなど、すぐに手を付けなければならない工程は山ほどあります。私はとにかく職人に声をかけ、仕事を依頼し、現場に来てもらいました。

多い時には100人もの職人が現場にいたでしょうか。1坪に1人という計算ですから、いま思い返せば信じられないほどの人口密度です。

夜の9時に職人の作業が終わると、掃除をして、そこからデザイナーさんとお店の作り込みの打ち合わせに入り、終わるのは毎日午前3時か4時。デザイナーさんにまで「終わらないんじゃない?」と言われ、現場で仮眠を取りながら必死に仕事を進めたあるとき。私の心はぷつんと切れました。

ある業者さんから「間に合わない」と断言されたためです。

もうだめだ。これでうちの会社の信用もだいなしになる。

このとき、私、大川祐介ははじめて現場で泣きました。星空を見上げて、どれだけ泣いたでしょうか。

しかし、ひとしきり涙を流したのが良かったかもしれません。ゴールは決まっている。会社はつぶせない。そう考えなおした私は、絶対に諦めるもんかという強い思いで、行動に出ました。

そして、もう一度、真夜中に電話をかけまくり、ついに間に合わせてくれる業者さんを見つけたのです。

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予定通り、1ヶ月で完成させた

この自由が丘のエステサロンは予定通り、およそ1ヶ月で完成しました。そう言うと、誰もが口をあんぐりと開けて驚きます。女性デザイナーからは「よく終わったわね」とのお褒めの言葉をいただいました。

なんといっても、1坪の中に複雑なデザインが凝縮されたようなサロンです。それをなんとか仕上げられたことで、私、大川祐介の自信は50倍ぐらいに膨れ上がりました。もう何が来ても怖くないと思いました。 

と同時に、協力会社さんのサポートに心から感謝の念を抱きました。業者さんが助けてくれなければ、いまのユニオンテックはありません。納期に遅れれば、あそこはそういう会社だという烙印を押されます。

そうした事態を回避できたのも、協力してくれるパートナーがいたからです。仕事をする上で、協力会社さんとの信頼関係がどれほど大切なものなのか。深く痛感した出来事です。

パートナーあってのユニオンテック   イメージ

パートナーあってのユニオンテック

協力会社さんに助けられ、苦境を脱し、完成に至った物件はほかにもあります。これは2013年のことでした。

制作管理を担当していたユニオンテックのスタッフが倒れてしまい、周囲は途方にくれました。情報の共有ができていなかったため、どこからどう手を付けていいのか皆目わからなかったからです。

スタッフは図面を見ることから仕事を再開しました。ゼロベースからのスタートです。

私、大川祐介も駆り出されました。そもそも繁忙期でしたから、社内に余裕などありません。

しかも、残された時間はわずか2週間。もう、社長の肩書など関係ない。一人のスタッフとして、私は現場を回り、睡眠時間を極限まで削って対応しました。

必ず完成させる。絶対に遅れはしない。固い決意でその案件に臨んだ私を救ってくれたのが、やはり協力会社のみなさんでした。

一つの仕事を分業してもらい、天井はなんと3社で手分けして仕上げました。3~4年取引がなかった会社さんにも来てもらいました。信頼関係のある協力会社さんの手助けがあったからこそ、納期通りにその店を完成させることができたのです。

パートナーあってのユニオンテック。改めてこの事実を痛感した案件です。