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設計施工の会社が抱える難しさ

ユニオンテックは設計施工の会社です。設計から施工まで、ワンストップで空間デザインを手がけています。これは、大きな強みであると同時に、実は難しい面もあります。

難しさ。それは何だと思いますか?

設計に携わる人間と施工を手がける人間。両者は、極論をいえばお互いにわかりあうことはありません。立場が違うため、完全なる理解は不可能なのです。

かたや、デザインに従事し、お客様の要望を聞きながら、自分の力量で空間をデザインするのが仕事。かたや、図面をもとにスケジュールに沿って具体的な形に仕上げていくのが仕事です。

両者の意見や価値観がいつもぴったりと合って、お互いを理解しながら仕事を進めていく、というのは理想ですが、現実はそううまく運びません。愚痴も出れば、不安が膨らむときもある。お互い真剣だからこそ、設計と施工との間に不協和音が響くこともある。

それでも、私、大川祐介は、「良いものを作りたい」という思いが共通であれば、必ずうまくいく。そう信じています。その確信のワケをお話しようと思います。

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最初の思いはみな同じのはず

デザイナーも施工の人間も、皆、同じユニオンテックの社員です。

いえ、営業や総務、経理、取締役もみなユニオンテックの一員です。そういう意味では、みな立場を同じくしています。

誰もがユニオンテックに魅力を感じたからこそ、一員になった。一員になってくれた。最初の思いは、皆、同じはずなのです。

「ユニオンテックの一員としていま自分が何をしなければならないか」はすべての社員に共通するキーワード。このキーワードをしっかりと理解し、自分の意識の中に埋め込んでもらえさえすれば、たとえ立場が異なっていても、必ずお互いを尊重できるはずです。

そこには、職種の壁はありません。実際にモノづくりをしているかしていないかも関係ない。キーワードの理解が大切なのです。

同じ目的意識を持ったパートナーとして イメージ

同じ目的意識を持ったパートナーとして

私、大川祐介が立場が異なる相手を尊重する必要性を感じたのは、次のような体験からでした。

前にもお話した印象深い自由が丘のエステサロンを作っていたときのこと。デザイナーの女性は頻繁に私のところに来ては「大川さん、大丈夫?」と声をかけ、ちりとりとほうきを使って、あたりの掃除をしてくれました。

私が「お掃除なんていいですよ」と言っても、彼女はやめようとはしません。

「私が現場でできるのはこれぐらいだから」

そう言って彼女は熱心に手を動かしていました。

この言葉、この行動に接したとき、私は心から「ありがたい」と思いました。スケジュールが極めてタイトで、完成が危ぶまれていたシビアな現場でしたが、「間に合わせるために何とかしよう」「絶対に期日までに完成させなければ」という気持ちになりました。

と、同時に「これだ!」という手応えを得ました。

現場ではデザイナーの出番はほとんどありません。しかし、彼女は「図面を仕上げたのだから、もう自分は関係ない」などとは考えず、同じモノを作っている仲間として、常に現場への参加意識を持っていました。立場の違いを超え、デザイナーと施工の職人という垣根を超えて、同じ目的意識を持ったパートナーとして私たちを認めてくれました。

これこそが、互いを尊重するということ。モノを作り上げていくときに絶対に不可欠な「根っこ」の部分です。

層が暑くなったがゆえの問題 イメージ

層が暑くなったがゆえの問題

この「根っこ」の部分が欠けてしまうとどうなるか。

チームワークは乱れます。同じ目的に向かって走るパートナーであるはずなのに、パートナーシップは成立せず、それぞれが独善的な考えや行動に陥ってしまいます。「根っこ」が社内に根付かなければ、強みの設計施工が逆に足かせになってしまいます。

事実、ユニオンテックには過去、そうした傾向が見られた時期もありました。

同じ会社の社員だからという甘えもあって、施工はデザインの詳細についてデザイナーに尋ねない。逆にデザイナーは、社内の人間が施工するのだからといって口頭で説明するだけで、図面も書かないということがありました。

施工は設計に確認を取らない。設計も施工に確認しない。お互い、おんぶにだっこで仕事を進めていながら、確認不足のために生ずるトラブルを前にして、互いの批判をしてしまう。やっかいな事態が生じていました。

これは単なるチームワークの乱れではない イメージ

これは単なるチームワークの乱れではない

そうした事態の背景にあるのは、皮肉なことに層の厚さでした。人数が増えて層が厚くなったがゆえに、人に甘えてしまうようになったのではないかと思います。

しかし、考えてもみてください。

外部の人間であれば、それは到底通用しない話です。「言った」「言わない」の次元に陥ったら、信頼関係はもうおしまいです。その後、仕事は来なくなるでしょう。

ところが、案件が増えてくると、設計施工の機能の両方が社内にあるために、手間を省いて確認を怠るケースが出てきたわけです。

そうした状況はなんとしてでも解決しなければなりません。これは、単なる社内のチームワークの乱れではない。成果物に影響をもたらし、大げさに言えば、会社の存亡にも関わってくる大問題なのです。


相手の立場を尊重し、価値を知る。それが社内連携だ<後編>