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増えてきた匿名での仕事

ユニオンテックは今、さまざまなルートを通じて仕事を受けています。
 元請け会社からお声がけいただくこともあれば、すでにご利用いただいたお客様からお知り合いをご紹介いただくケースもあります。Webサイトを見て問い合わせをいただき、そこから仕事に発展したり、また店を出すので今度もお願いしたいとお声がけいただく機会も増えてきました。
 最近では、コンペへの参加ではなく、「ぜひユニオンテックに設計施工を手掛けてほしい」という特命での依頼が多くなっています。最初からユニオンテックだけに絞ってのご依頼です。弊社への信頼や評価が高まってきたからこその依頼ですから、本当にありがたい限りです。
 2014年年末にも、私は特命のお仕事を担当しました。
 しかし、そこで特命だからこその落とし穴に直面し、得難い経験をすることとなりました。。

特命ゆえの落とし穴 イメージ

特命ゆえの落とし穴

その案件は、かねてから懇意にしていただいている、ある美容系プロデューサーからのご紹介がきっかけでした。
 都心部にサロンを開きたいというお客様のもとに出向き、お話をお聞きしてこちらの考えをお伝えしたら、すっかりユニオンテックを気に入っていただき、「ぜひともお願いします」という運びになったのです。
 当初はコンペも考えられていたようですが、幸いなことに最初の顔合わせを通して、「もう他の会社は考えられない」と即決され、私たちが物件探しからお手伝いをすることになりました。
 「ユニオンテックしか考えられない」。
 そう言われて、うれしくないはずがありません。テンションは上がります。
 もちろん、そのテンションの高さは、「こうして指名いただいたのだから、ご期待に添えるよう良いものを作らなければ」という固い決心にもつながるわけです。
 しかし、この案件では私のその気持ちが少し裏目に出てしまいました。仕事が進むにつれ、お客様とのズレを実感するようになったのです。

コンペと特命の違いとは!? イメージ

コンペと特命の違いとは!?

この案件で、お客様はいままでにない新しい業態を構想されていました。
 最初にお会いして、そのプランについてお話をお聞きしたとき、私は自分なりの意見やアイデアを率直に述べました。
 私の得意分野は、美容関連のショップやサロンといっても差し支えありません。蓄積してきたノウハウもあるし、常にアンテナを張り巡らせて、業界のトレンドや動向の把握に日々、努めています。この業界をもっと面白いものにしていきたい、市場を活性化するお手伝いをしていきたいという熱意なら誰にも負けません。
 そうした私のスタンスも功を奏し、「特命」という結果につながったのだと思いますが、この「特命」には大きな落とし穴がありました。
 それは何だと思われますか?
 答えは、お客様には比較対象がない、ということ。コンペであれば当然の「比較する対象」が存在しないのです。

本当にこれでよかったのか イメージ

本当にこれでよかったのか

比較する対象がないーー。それはいったい何を意味するのか。
 いったん疑問が芽生えてしまうと、本当にユニオンテックからの提案でいいのか、この案や見積もりで妥当なのか、価格的に問題はないのかといった具合に、お客様の中に不信感が膨らんでいってしまいます。
 コンペを実施していれば、当然比較する対象があるので、お客さまはある程度の相場観のようなものをつかむことができます。こちらとあちらを比べて、どちらがいいのか、価格と内容を秤にかけてどちらを選んだらいいのか。比較を繰り返し検討を重ねて、最終的な答えにたどりつくからです。
 しかし、特命の場合にはそうしたプロセスがありません。最初から答えは一つ。ほかに比較する対象がないので、比べようがありません。
 ユニオンテックのことをたいそう気に入っていただき、私たちもそれを受けて、お客様の構想を具体化するプランを提案し、作業を進めていきましたが、実際に作業に伴う費用が明らかになるに連れて、お客様の疑問が増していったことがわかりました。

これでは話が違う イメージ

これでは話が違う

とりわけ、その疑問が大きくなったのが、お客様のご希望で店のロゴをレーザーで切り抜き、演出するためにかかる費用を提示したときでした。
 グラフィックで作るよりも、レーザーでの切り抜きはかなり高くつきます。このときに業者さんの原価の見積金額を含めると、施工費は数千万円におよびました。明らかにお客様の予算を大幅に上回る数字です。
 もちろん、私もそれは承知していました。わかってはいたのですが、「一般にこれぐらいの費用がかかりますよ」とまずはご理解いただきたくて、あえて、そのままの数字をお伝えしたのです。
 これにお客様はびっくりされ、「話が違う」となり、一時はユニオンテックとの契約を取りやめるという流れになりかけました。
 しかし、すでにこちらも費用をかけて作業を進めていましたから、もし契約中止となると大変なことになります。何よりお客様の信頼を失うという事態は避けたかった。そこで丁寧に真意をお伝えすることでお客様に事情をわかっていただき、なんとか事なきを得ましたが、ここで私は自分の間違いを悟ったのです。


お客様にとって最高のパートナーとは〈後編〉