社員、研修旅行に旅立つ

社員、研修旅行に旅立つ

 2016年4月~5月。
 16期を迎えたユニオンテックは研修を兼ねた社員旅行を実施しました。全社員が対象です。行き先は、バルセロナ、ニューヨーク、それから京都・大阪などの関西方面。3つのコースに分かれ、時期をずらしながら、研修旅行に出かけました。
 私、大川祐介も行ったのか? 
 残念ながら留守番です。いつもどおりに会社に出かけ、いつもどおりに仕事に励みました。社員が一斉に旅行に出たわけではないので、一人ぼっちで寂しく仕事をしていたわけではありませんが、社員たちが旅先で何を感じ、何を学び、それをこれからのユニオンテックにどのように活かしてくれるのか。楽しみにしながら時間を過ごすことができました。
 なぜ私がこのような研修旅行を実施したのか。今回は、そのいきさつや目的についてお話しましょう。
それは勢いで決まった

それは勢いで決まった

 スペイン・バルセロナやアメリカ・ニューヨークへの研修旅行。しかも、対象は全社員。
 こう聞くと、太っ腹な会社だと思われるかもしれません。事実、私、大川祐介もそう思っています(笑)。
 研修旅行を計画したいきさつはこうでした。
 2015年2月。私は「年間ありがとうアワード」の打ち上げの席でつい飲み過ぎてしまい、その勢いでこう叫んでしまいました。
「みんなで研修旅行に行ってこいよ」
「いいモノを作るためにはいいモノを知らないといけない」 
「海外の文化をちゃんと見て、自分たちの見聞を広めて帰ってこい」
 この言葉を聞いて、社員はもう大喜びです。その場は大いに盛り上がりました。
いいものを直に見て触れる体験を

いいものを直に見て触れる体験を

 

私が言った言葉に嘘はありません。
すべては常日頃から感じていることです。お客様に満足いただける空間を創造し、期待に応える、いや、期待以上の価値を提供していくには、良いものを直に見て触れる体験が必須だと思っています。
本を読んだり、インターネットで情報を入手することも大事ですが、生の体験にはそれらに代えられない価値がある。特に、日本とは異なる歴史、異なる文化、異なる社会の上に生まれた海外の建築物を間近で見る体験はインパクトを与え、大きな発見や驚きを心に刻み込むはずです。
とはいえ、費用がかかるのは事実です。かかるのは旅費ばかりではありません。社員が研修旅行にでかけている間、本来であればあがるはずの売上が失われる。それらも換算すると非常に大きな金額ですが、私、大川祐介は少しも後悔していません。
現在のユニオンテックにとっては必然的な研修旅行だった。これからの成長を考えていく上ではちょうど良い機会だった。そう考えています。正直に言えば、翌日に「ああ、言っちゃったなあ」と多少思ったことは確かですが(笑)。

自分たちで考えて、行ってこい

自分たちで考えて、行ってこい

 私の発言を受けて、翌日、社内の満足追求委員会が私の席にやってきました。
「社長、研修旅行の件、どのように進めればいいですか?」
 この質問に私、大川祐介は次のように返しました。
「自分たちで考えて行ってこいよ」
 これはいつものパターンです。アイデアを出したり、提言をすることはあっても、私がそれ以上細かく介入することはありません。
 決めるのは社員たち。きっかけはこちらで作るにしても、後は自主的に自分たちの頭で考え、自分たちで計画を練り、問題を解決し、社内外のさまざまな人と調整を重ねつつ、プランを実現させていく。これがユニオンテックのやり方です。
 だから、バルセロナやニューヨークという訪問地も私が指示したわけではありません。詳しい訪問先や滞在先などもすべて満足追求委員会が決めました。私の出番は最初以外、ほとんどないのです。
学びをアウトプットせよ

学びをアウトプットせよ

 研修旅行から戻ると、社員は各自でレポートをまとめ、提出しています。
 研修旅行は観光旅行とは違います。そこで何かを学び取ってこなければ意味がない。行った以上は、その成果をアウトプットしてほしい。そこで、今回の研修旅行では、各自がテーマを見つけて、日本との文化の違い、経済の違い、トレンドの違いを事前に調べ、現地で確認し、分析し、3週間以内に規定のフォーマットにまとめて提出してもらいました。
 どんなテーマか。
 特に難しいものではありません。
 私が例として出したのは、スペインの日本食レストランの数や実情、ニューヨークのオフィス街に出ている屋台の数や種類、国内旅行であれば大阪のたこ焼きの年間消費量といった内容です。
 どうでしょう? これなら堅苦しくなく、興味を持って調査し、現地で確認するプロセスが楽しくなりませんか? 漠然とただ「見てくる」よりも、何か一つでも興味を持てるテーマを決めて出掛けた方が、研修旅行の中身はぐっと密度が濃いものになるはずです。

上質な建築物、異なる文化に触れ見聞を広めてほしい〈後編〉