業界から活気が失われている

業界から活気が失われている

 2016年4月。ユニオンテックは、建設業界に携わる人と社会をつなぐポータルサイト・チームサスティナを立ち上げました。私、大川祐介が職人として建設業界で働き始めてから直面し、長く解決したいと考えてきた問題や課題。それらを解決するためにチャンレンジした新規事業チームサスティナに対する私の思いを、ここで洗いざらいお話したいと思います。
 いま、建設業界は衰退の一途をたどっていると言っても過言ではありません。
 私たちの暮らしや仕事のベースとなっている家や店やオフィスを作るために建設業はなくてはならない存在です。建設業はGDPの10%を占めている重要産業です。IT産業と違って周辺業界の影響を受けにくく、手に職をつければ生活できる、働きがいのある産業です。
 それなのに、建設業界は活気を失っています。純利益率もわずか1%以下。IT産業は18~19%を確保しているのに、低収益にあえいでいます。
岩を打ち崩さない限り、活性化はしない

岩を打ち崩さない限り、活性化はしない

 慢性的な労働力不足にも苦しんでいます。海外から人手を調達し、定年の再雇用も進めていますが、無理な形で人を入れているために、職場環境は良くならない。3K(きつい・汚い・危険)の代名詞のように言われ、若者には不人気です。
 日本の建設業界には約47万の会社があるとされていますが、これは許可を取っている会社のみの数字で、実際には70万社とも、もっとあるとも言われています。
 この47万社のうち25%が首都圏に集中しています。仕事があっても繁忙期に集中するため、黒字倒産も珍しくありません。首都圏には仕事がたくさんある一方で、地方にはあまり仕事がない。それが建設業界の現状です。
 私、大川祐介は18歳のときに東京で職人となり、キャリアをスタートしました。一歩一歩進んだ結果、現在のユニオンテックがあります。
 だからこそ、この業界の問題点がよくわかる。ここは、若い人が成長しづらい環境です。古き悪しき慣習が色濃く残されています。他の業界ではイノベーションが起き、新しい価値が続々と作られているのに、そうした動きがまったくない。建設業界だけが岩のように動かず、停滞しています。
 この岩を打ち崩さない限りは、業界は活性化されない。若い人など、入ってこようがありません。
ピラミッド構造をフラットな形にしていく

ピラミッド構造をフラットな形にしていく

 このままででいいのか。日本になくてはならない業界なのに、衰退しつつある現状をただ見ているだけでいいのか。放置しておいていいのか。  断固として違います。
 私、大川祐介は、この業界を若者が誇りを持って働ける業界に、シンプルにカッコいいと思ってもらえる業界に変えていきたい。空間を創る専門家として業界を改革したい。古き悪しき慣習を一掃したい。
 この思いが私を突き動かしました。そして、自分の経験値をすべて注ぎ、いままで関わってきた人たちを支援していくために立ち上げたのが、チームサスティナです。
 チームサスティナがサポートしたいと強く考えているのは、かつての自分である職人です。業界の95%を占めている職人です。
 この業界は典型的なピラミッド構造をなしていて、数が多い職人は一番下に位置しています。上からトップダウンで仕事が降りてくるのを職人は受けの姿勢で待っています。いや待っているしかありません。
 このピラミッド構造をフラットな形にするのが私の目標です。元請け会社と協力会社が対等の力関係にある。元請けはエンドユーザーのニーズを聞いて仕事の方向付けをし、モノづくりは職人たちが担い、イーブンな協力関係のもとで互いの仕事を進め、良い空間を創りあげていく。フェアで対等な形を目指したい。
チームサスティナが改革の役割を担う

チームサスティナが改革の役割を担う

 しかし、現実には大きな問題があります。
 ピラミッド構造の下に位置する職人や零細企業には、余裕がありません。時間もお金も労力もいっぱいいっぱいの中で仕事をしています。業界の問題点を痛感していても、日々の仕事に追われている中では、問題解決へと動くことなど不可能です。
 だから、多くの会社が諦めの境地に達しています。
 こういう業界だから仕方がない。こういう業界だから募集しても人が来ない。でも仕方がない。
 そんな風に考えています。無理はありません。現状を変えようにも、課題を解決しようにも、そこに割けるマンパワーがない。目の前の仕事に手一杯です。
 だったら、職人たちには目の前の仕事に集中してもらおう。我々チームサスティナが業界を変えていくための役割を担おう。  これが私、大川祐介の結論であり、チームサスティナを立ち上げた理由なのです。
成長スパイラルを実現させたい

成長スパイラルを実現させたい

 チームサスティナが目指すのは、業界に身をおく企業と人の密接で強固な関係です。お互いに出会えてよかった、いい仕事ができてよかった。心からそう思い、互いに前を向いてレベルアップできる成長スパイラルを実現したいと考えています。
 そうなれば、世間一般が建設業界に対して抱いているイメージが上がり、閉鎖的な業界の風通しも良くなるはずです。みなが成長意欲を持つことで、業務効率も向上し、生産能力も上がるでしょう。
 自分の仕事に誇りを持てるようにもなります。同じ思いを持つ人同士がつながりやすくなれば、都市部だけではなく地方も活性化します。
 ユニオンテックは、若者が技術力を磨き、成長しやすい環境を整備し、労働環境を良くしていきたい。採用や離職率を改善していきたい。もう、あの業界は3Kで魅力がない、行きたくないなどとは言わせない。チームサスティナを通して、必ず魅力的な業界に変えていきます。

チームサスティナが建設業界を変えていく〈後編〉