企業使命が薄らいでいる?

企業使命が薄らいでいる?

 ユニオンテックの企業使命。
 何度も話してきたように思いますが、ここで改めてお伝えしたいと思います。
『わたしたちユニオンテックは、最先端の洗練された知識・技術・サービスを結合し、地域社会の中で「ありがとう」をたくさん集められる環境創造企業を目指します』
 これが、ユニオンテックを貫く価値観であり、根底から支えている使命です。そのことに一点の曇りもありません。
 これまでも社員たちの前で何度も何度も話をしてきました。企業使命を心に刻んで仕事をして成長してもらいたい、人生を実りあるものにしてもらいたいと、それこそ口を酸っぱくして語ってきたように思います。
 大川祐介のこの思いは社員に浸透し、企業使命もみなの心の中にも根をおろし、行動指針となっている。そう実感できていました。
 しかし、正直に言いましょう。
 今、その思いが少し揺れ動いています。
 もしかしたら根幹の企業理念が社員の心から薄れてきているのではないか。
 そんな疑念を持っています。
 2016年12月。私が「理念の会」を開くようになったのは、そんな思いが膨らんできたことがきっかけでした。
月に4回、朝8時から開催

月に4回、朝8時から開催

 新宿のオペラシティに本社オフィスを移転し、新規事業であるチームサスティナのスタート時期だからこそ、しっかりと企業理念を心に強く刻んでほしい。
 そんな思いから、私、大川祐介は「理念の会」の開催を決断しました。
 「理念の会」とは、その名の通り企業理念について私が社員に語り、皆に考えてもらう場所です。月に4回開催するので、社員に来れる日を自身で決めてもらいます。
 時間は本来の出社時間前より1時間早い朝の8時から。社員にとっては、朝の貴重な時間を奪われることになるので、面倒だと感じている人も多いように思います。
 私にとっても、決して楽な取り組みではありません。社員は月1回出席すればいいわけですが、私は月に4回も時間を割く必要があるのです。タイトなスケジュールの中、時間の調整はそう簡単ではありません。
 社員にとっても私にとっても決して簡単なことではない「理念の会」の開催。それでも、私は始めたかった。やらなければならないと思いました。後まわしにはできないと考えました。いまやらなければ、ユニオンテックのさらなる飛躍は難しいと思いました。
 どんなに忙しくても時間を取り、集まってくれた社員を前にして、なぜ私がこの企業理念を作ったのか、ユニオンテックにとってどうして必要なのか。この企業理念をどう自分の行動に落とし込んでいけばいいのかについてじっくりと考えてもらう場を作ろうと考えたのです。
すべては即興、真剣勝負

すべては即興、真剣勝負

 では、「理念の会」で私、大川祐介は具体的にどんな話をしているのか。社員と向き合い、何を伝え、何を引き出そうとしているのでしょうか。
 特別のシナリオはありません。筋書きやあらかじめメモを用意するということもなし。すべては私のアドリブです。
 その部署の役割、業務内容、果たすべき使命を考えつつ、メンバーの顔を見ながら、その場で考えたことを話します。「理念の会」は部署ごとに開催しているので、一つとして同じ話はありません。
 デザイン設計であればその仕事内容に応じた話を、施工であれば彼ら彼女たちの仕事内容や仕事ぶりを頭に描きながら、話を選び、質問を投げかけ、社員たちから答えを引き出し、その答えをもとに話を進めていきます。まさに即興です。
 大げさに言えば、真剣勝負。一発勝負の舞台です。
 それほど、私はこの「理念の会」に力を入れています。
人生を豊かにしたい? お客様に喜んでもらいたい?

人生を豊かにしたい? お客様に喜んでもらいたい?

 「理念の会」というからには、当然、企業理念についての話を繰り広げますが、ただお題目のように企業理念を社員に唱えさせているわけではありません。
 そんなことをしても無意味です。企業理念が腹落ちしなければ、具体的な行動にはつながりません。大事なのは、この企業理念を日々の行動レベルに落とし込んでいくためにどうしたらいいのかを考えてもらうことです。
 例えば、私、大川祐介はこんな風に社員に質問を投げかけます。
「みんな、お客様に喜んでもらいたい?」
「自分の人生を豊かにしたいと思っている?」
「家族からや仲間から信頼されたいよね?」
 こうした質問に誰もが当然のように「YES」と答えます。
 問題はここからです。この「YES」の答えを実現に導いていくためには何が必要なのか、何をなすべきなのかを自分の頭で考えてもらわなければなりません。
そのためには何をなすべきなのか

そのためには何をなすべきなのか

 私はさらにこんな質問もぶつけます。
「お金をたくさん稼ぎたい?」
「美味しいものを食べたり、欲しいモノがあればいつでも買えるようになりたい?」
 多くの社員がまた、「YES」と答えます。
 しかし、私、大川祐介がその答えを受けて、次のような問いかけをすると、皆は一瞬、答えにつまります。
「じゃあ、そのためには何をすればいいと思う?」
 これをお読みのみなさんはどうでしょうか。どう考えますか?
 自分の会社のお客様に喜んでもらい、人生を豊かにし、家族や仲間から信頼されるような人物になるためには、具体的にはどんな行動が必要だと思いますか?
 日頃から考えていないと、質問にはなかなか答えられないものですが、私は間髪をいれずに質問を投げかけて、必死で考えてもらいます。
 そのプロセスを経て初めて、本質に迫る答えが導かれるからです。それこそが「理念の会」の役割なのです。

企業使命をどう日々の行動に紐付けるか〈後編〉