【経営者インタビュー】取締役・赤枝泰明「社員の一人ひとりが主人公になってほしい」〜3つのバリューで、ユニオンテックのカルチャーを育てる〜 | 社内レポート | 採用情報 | ユニオンテック株式会社


 経営者インタビュー 取締役 赤枝泰明

「社員の一人ひとりが主人公になってほしい」〜3つのバリューで、ユニオンテックのカルチャーを育てる〜


“バリュー”は、企業が掲げたミッションを達成するため、「具体的にどう行動すればいいのか?」を示したもの。ユニオンテックでは、ミッションである「BUILD A NEW STANDARD.(新しいあたりまえをつくる)」を達成するために「GO BEYOND VALUE (期待を超えていくためのバリュー) 」を定め、「MOVE FAST(世界一早く)」「NO LIMIT(自分史上最高)」「TAKE OWNERSHIP(私が責任者)」の3つで構成しています。
ここでは、これらのバリューが一体どのような思いやプロセスで決められていったのかを深掘り。取締役の赤枝泰明にインタビューし、この3つの言葉に落とし込んでいった経緯のほか、現在社内ではどれだけ浸透していて、実際にどれくらい体現されているのか聞きました。

TOPICS

●覚えやすくシンプルなワードにしたかった
●従業員全員にスポットライトをあてたい
●ユニオンテックに欲しいのは、無茶ぶりに応えられる人!

 


覚えやすくシンプルなワードにしたかった


―― まずは、赤枝さんについて少し教えてください。取締役であり、ワークスペースプロデュース事業部に所属されていますが、普段はどんなことをしているのでしょうか?
事業部的には案件の対応がメインになりますね。ただ膨大な数の案件が動いているので、全部を把握しているわけではなく、会社としてフォーカスするべき重要な顧客や営業戦略的に外せないものを主に見ています。同時に、企業価値を落とす要因も排除しなければならないので、ときにはクレーム対応をすることもありますね。

―― では、そんな赤枝さんにはバリューの成り立ちを伺いたいです。決まったのはいつ頃なのでしょうか?
2021年に分社化してそのタイミングでミッションを刷新したので、バリューを決めたのはそのあと2022年の頭くらいです。会社として公に出したのはもうちょっとあとだったかもしれませんけどね。

―― 具体的に、どのように考えていったのでしょう?
バリューって企業によって本当にさまざまで、何個あってもいいんです。実際、他社さんのホームページを見てみると、5個のところもあれば10個のところもあり、それ以上定めているところだってある。だからまずは「浸透させやすいのは何個くらいだろう?」というところから考えはじめました。考えていく中で数は少ないほうがいいんじゃないかという話になって。同様にワーディングもシンプルでわかりやすくしようという方向性になりました。

―― 浸透の観点は確かに重要ですね。
はい。決めただけで形骸化してしまう例も多々あるので、どう浸透させるか?はすごく重要視していました。覚えやすいこと、合言葉みたいに口に出しやすいことは必須でしたね。そして、最終的に「3個にしよう」と決めたところで、どんな価値観を体現し、積み重ねれば「BUILD A NEW STANDARD.(新しいあたりまえをつくる。)」に近づくのか、外してはいけない要素は何なのかを考えました。そこで大事にしたかったのは、その事業においても、部署においても、「価値を提供する相手の期待を超えていく」ということ。“期待どおり”では、“新しいあたりまえ”を生み出していくことはできませんから。期待を超えることで初めて、それまでお客様が見えていなかった最高の価値を提供できるし、「BUILD A NEW STANDARD.(新しいあたりまえをつくる。)」につながっていくだろうと。この考えを基準にするために、バリュー全体のテーマを「GO BEYOND VALUE(期待を超えるためのバリュー)」と定めたところから、それぞれのバリューを決めにいきました。

 

―― まずは何から決まったんですか?
はじめは、当時の全役員で「期待を超える」ために必要な行動要素を徹底的に洗い出したところからはじまったので、玉石混合でした。厳しいものから面白系のものまで、30個ほどあったんじゃないかな(笑)。それを、週1で役員全員で頭を突き合わせて、あーでもないこーでもないとカテゴリで整理したり、マッピングしたり。社外で会議室を貸し切っての合宿も行いましたね。徹底的に考え抜いて、最終的に全役員合意の元、絞り込まれたのが現在の3つのバリューです。

「NO LIMIT」自分史上最高

まずは、「NO LIMIT」。これは、従業員一人ひとりが今の自分を超えるというような、成長する姿勢を言語化しました。今でもあることなのですが、自分で自分の限界を決めてしまったり、“コンフォートゾーン”と呼ばれる安全圏から出るのが怖かったりと理由はさまざまですが、現在の自分ができることだけをひたすら愚直にこなし続けるだけになってしまう人がいます。それで問題ない会社も世の中にはあるかもしれませんが、ユニオンテックでは、相手の期待を超えていくために、本当にどんなに小さなことでもいいから、毎日何かの壁を突破して成長してほしいと考えています。誰かに話しかけてみることでもいいですし、何か新しいツールを使ってみる、なんてことでもいい。自分の安全圏や業務の枠を超えて、失敗を恐れずに挑戦し続ける姿勢で、いつも自分史上最高の自分でいてほしいという思いを込めて、「NO LIMIT」を定めました。

「MOVE FAST」世界一早く

次に、「MOVE FAST」。これは、お客様から「早いですね!」と言われること、評価されることの価値を言語化したものです。スピードを速めることで、サービス提供の機会を増やすことができます。お客様とのやりとりのラリーを早めることでより多くの情報をヒアリングしたり、フィードバックをいただいたりすることができますし、結果として提供するサービスの質を高めることができます。このようにスピードがものを言う場面は無数にあるので、私たちが意識的に最短最速で動くことは、お客様に期待を超えるサービスを提供することに直結しますよね。言わずとも、自分たちを含めてすべての人にとって“時間”の価値は最も高いので、最短最速でPDCAを回していくことはお客様にとっての最善ですし、自分たちの成長にも大きく貢献するであろうというところで、「MOVE FAST」を定めました。

「TAKE OWNERSHIP」私が責任者

最後に、「TAKE OWNERSHIP」ですね。これだけできていたら他のもできているよねっていうくらい難易度の高い項目ではあるんですが、圧倒的な当事者意識を言語化したものです。 まず“Ownership(オーナーシップ)”というのは、自分に与えられた仕事やミッションに主体性を持って取り組むスタンスのことで、自分のことだけではなく組織やチーム全体に視野を広げながら自らの意志で動ける能力のことを指します。高パフォーマンス状態ですね。例えば、「上司から指示されたから」「会社の目標がそうだから」、というように他人事に捉えるのではなく、自分から積極的に課題やミッションを解決しにいくことです。特に、管理職以上の人間はわかっていると思うんですが、主体的に動くということは自分である程度の意思決定をしながら業務を遂行しなくてはならないので、人からの評価待ちではなく自分自身で判断基準を持つ必要があるんですね。で、判断基準を持つためには、会社の計画や資本にしっかりと向き合わないといけない。これこそ最高の成長機会です。社員の一人ひとりにこのスタンスは持ってほしいなと思い、「TAKE OWNERSHIP」を定めました。

―― 限界を超え、責任感と当事者意識を持ち、最速で実行する。シンプルですが、理にかなったバリューですね。ちなみに、当時の従業員の皆さんは少なからずこういったマインドを持っていたのでしょうか?
いや、まったくなかったと思いますよ(笑)。分社化してからしばらくは業績が悪化していて、「うちの会社、どうなっちゃうんだろう?」と、不安を抱えている人のほうが多かったので。ただ今後も空間事業をやっていくところまでは決まっていて、お客様にも常に接している状況ではあったので、目の前の仕事を一生懸命こなすことで精一杯だったと思います。

 


従業員全員にスポットライトをあてたい


―― その状態の社内で、このバリューを定着させるため、どんなことをしましたか?
具体的な施策でいうと、組織開発チームがやってくれている「アワード」は大きいですね。各部署の進捗を共有したり、ミッションやバリューを体現している社員を表彰したり(New Standard Award)する全社イベントのことなのですが、どういった人材が評価されているのかが可視化されるので、彼らをロールモデルとしたり、ライバルとして競争したりと従業員の意識も高まっているのではないかと感じています。さらに、アワードで表彰された社員には後日インタビューを実施し、彼らの仕事へのスタンスや、実用的な仕事術を紹介し社内ナレッジとしていますね。 

あとは、バリューをデザインしたウェルカムドリンクのペットボトルラベルも施策の1つですし、Slackで使えるスタンプに「MOVE FAST」「神の速さ」、「NO LIMIT」「限界突破」、「OWNERSHIP」「責任感◎」というオリジナルのものを加えて、日々業務の中で目に留まりやすい環境を作りました。とにかく社内の共通言語として使っていけるようにまずは経営層から日常的に使用する、というのをやっています。そろそろ社員のみんなも日々使い始めてくれないかな〜と期待しています(笑)。社員同士で、それMOVE FASTだね!みたいに使ってもらえたら嬉しいですね。 

―― また、勉強会も意識を高める施策の1つですよね。
そうですね。一人ひとりが成長し続けて、最終的に全体のレベルが上がることが理想なので、学習環境も整えるべきだと考え、始めました。事業部ごとにプログラムは異なっているのですが、例えばスペースコンストラクション事業部だったらビジネスマナー講座や安全・品質管理のこと、デザイナーだったらデザインの知識やプレゼンテーションのロールプレイング会など、講義ではなく全員で議論しながら知識を深めるような会になっています。

―― なぜ、講義ではなく議論するスタイルにしたのでしょうか?
僕も含めてですが、単に講義を聞くだけではなかなか頭に入ってこないと思うんです。実際僕は、代表の大川に「管理職研修に行きなさい」と勧められて月に一度の講義を受けていた時期があるんですが、聞いた内容をもうほとんど覚えていないんですよ(笑)。ちゃんと聞いたと思っていても、いつの間にか忘れてしまうんですよね…。なので、ただ聞くだけではなく、考え議論する場にしたほうが、身になるんじゃないかと考えました。ただ、新卒の皆のような未経験で入社した社員が体系的に効率よくスキルを磨ける環境がまだ完全に整っていないので、そこは課題です。ほかにも3年目研修やマネジメント研修もやっていきたいですし、育成面では企画中のものも含め、今後やるべきことが多いですね。

―― ともあれ、ここまで手厚いと自然と成長する意欲が高まってバリューの体現につながりそうですね。
何百人何千人と働いているような大企業なら、スポットライトが当たる従業員はごく一部になると思いますが、ユニオンテックは従業員100人弱なので、できることなら一人ひとりにちゃんとスポットライトがあたる会社にしたいんです。そのために、ある程度の環境は整えるから、全員がオーナーシップの意識を持ち、主人公然として働いてほしい。それでも、「今のままでオッケーだから」「入社できればもう安泰だ」と、成長意欲を見せない人がいるかもしれません。そういう人は、周りが伸びていくことで取り残され、スポットライトが当たらなくなってしまうでしょうし、そのままドロップアウトしてしまうと思います。僕らが敢えて「大丈夫?」と手を差し伸べることはきっとないですからね。だからこそ、高い意識を持っていてほしいとは常に従業員に伝えているつもりです。

 


ユニオンテックに欲しいのは、無茶ぶりに応えられる人!


―― アワードや勉強会などさまざまな施策を始めて、従業員の皆さんに変化は感じますか?
感じます。施策のおかげかはわかりませんが、社員を直接見ている中で、「こんなことまでできるようになったんだ」と驚くことが増えました。しかも、入社して間もない従業員や新卒だけでなく、昔からいる従業員にもそう感じることが多々あるので、全体的に意欲が高まっているんじゃないかなと思います。

―― ちなみに、赤枝さんご自身がユニオンテックで働く上で心がけていることは何ですか?
「領域を決めない」ことと、「評価を他人に委ねる」です。自分はデザイナー出身なんですが、「赤枝くんの仕事ぶりならこういう事もやってくれそう」と、デザイナーの域にとらわれない新たな仕事も舞い込んでくることがあるんです。そういうとき、「デザインしかやらないので」と勝手に枠を決めて断ってしまうと、可能性を失ってしまうことになる。それがいやなんです。なので他人に評価を委ねて、周りが「やってくれそう」と思った仕事に真剣に向き合っていた。これを繰り返していたら、結果的に成長していました。僕、役員や経営者になりたいと思ったことも一度もないんです。大川さんや当時の上司が僕の仕事を評価して、その期待に応えているうちに気づいたらここにいた、という感じなんですよね。

―― そういうスタンスこそユニオンテックらしいですね。自然とバリューを体現しているようにも感じます。
大川さんもクロス職人としてキャリアをスタートさせていますが、クロス以外の依頼を断らず「できますよ」と答え続けた結果、やれることが増えていって今に至ると思うんです。きっと最初は設計やデザインをやるなんて思っていなかったはずですよ。

―― そして、そういうタイプの人がユニオンテックには合っていると。
そうですね。「やってみて!」「無茶ぶりなんだけど…」という依頼にも、ストレスなく「じゃあやってみますね」と言える人のほうが、会社のカルチャー的にもバリュー的にも、ミッション的にも合っていると思います。逆に、その分野だけの技術を磨いてプロフェッショナルを目指したい人は、うちの会社ではないかもしれないですね。

―― とても濃いお話を伺えました。最後に、取締役である赤枝さんご自身がユニオンテックで果たすべき使命とは何だと思いますか?
正直、取締役をやってと言われたときに何をしたらいいのか分からなかったんです。大川さんからは「取締役として企業価値を上げること。以上!」と言われ、そういうものなんだなと思ったんですが、じゃあ具体的に何をするのかわからなくて(笑)。ただ、自分たちが「企業価値が上がりました!」といくら言ったとしても意味がなく、周りからそう思われなければいけないということは間違いないんです。そのためには、UT100という中期目標(2025年の売上100億・営業利益率20%達成)に向けて、戦略を示すことが大事だと思っています。一人ひとりのフィジカル面の磨き込みは現場のメンバーに任せることになりますが、僕はそれをより広く大きく捉えて、効率良く一気に全体の底上げをしていくことが必達かなと。まだまだ足りていないこともあると思うので、とにかく勉強あるのみだと思っています。

 

Photo=Yasuharu Hikawa  Interview=Mayuge Matsumoto

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