「デザイナーズエッジ」第5回開催レポート・第6回開催のお知らせ
2月28日(木)、第5回「デザイナーズエッジ」が渋谷のユニオンテック本社で開催されました。今回は、関西を拠点に活躍するデザイナー、株式会社イチミリデザイン代表の平野大偉(ひらの・だい)氏を講師に迎え、その飾らない語り口と、実務に裏打ちされた豊富な経験に会場は終始引き込まれました。
「デザイナーズエッジ」は、“最先端(Cutting Edge)をいくデザイナーを目指し、互いに刺激を与え合い成長する”ことを目的とした、空間設計デザイナー向けのコミュニティイベントです。今回も学生から現役デザイナーまで、様々な立場の参加者が集まり、互いに視点を交差させる時間となりました。
平野大偉氏が語る、キャリアと独立のリアル
オフィスビル・飲食店・ホテル・レジデンスをマルチに手掛ける株式会社イチミリデザイン代表の平野氏。
冒頭、平野氏は「大阪のど真ん中、Q太郎町という可愛い町からきました」とユーモアを交えて自己紹介。屋号「イチミリデザイン」の由来についても語り、「かっこいい名前が浮かばず、散髪屋で“1mmでお願いします”と言っている自分を鏡越しに見て、これだと思った」と、印象に残るエピソードを披露。覚えてもらうこともブランディングだと語り、その意識が自身の仕事全体に通底していることが伺えました。
デザイナーとしての始まりは、父親の影響を受けたこと。リックデザインでの8年間では、大型商業施設や駅ビルの環境デザインなど多様な案件に携わり、業務報告や収支管理、外部との調整に至るまで、設計業務の全体像を実地で学びました。
また、「案件の進捗報告や収支意識を徹底する社風の中で、時間をかけるだけの働き方ではダメだと気づかされた」と語り、デザインの質とプロセス管理の両立が重要であることを強調しました。
独立への準備と、踏み出した後の景色
「独立のタイミングは、スキルを覚えた時ではなく、自分を支えてくれる人がいると確信できた時」と平野氏。周囲の言葉を胸に刻み、8年目に独立を決意。ホームページを開設し、体裁を整えるところからスタートした1年目。2年目には大阪市内に事務所を構え、3年目には自ら仕事を獲得し、安定的な案件獲得へとつなげていきました。
コロナ禍を経て、オンライン会議や働き方の変化にも柔軟に対応。どんな時もクライアントとの関係性を大切にし、継続的な信頼の構築を最重視してきたことが語られました。現在では、案件の最初から最後までの完成イメージを持ちながら進められるようになり、表現力とディレクション力の成熟を感じさせる姿勢が印象的でした。
「最終的には家具屋になりたい」と語る平野氏。空間にとどまらず、プロダクトや家具などのスケールでも自身の世界観を表現していく意欲が感じられました。また、参加した学生や若手デザイナーに向けては、「スキルよりも、誰と仕事をしたいかを大事にしてほしい」「辞めることよりも、続けることが大事」と、温かくも実感のこもったメッセージが送られました。
ミニイベント「学生プレゼン&交流セッション」も開催
今回のイベントでは、講演後に学生向けのミニイベントも実施。建築を学ぶ学生が実際にプレゼンを行い、平野氏や参加デザイナーからのフィードバックを直接受けられる場が設けられました。若い世代の熱量が加わることで、イベントはさらに厚みのある学びの場となりました。
次回「デザイナーズエッジ」第6回 開催のお知らせ
開催日:2025年4月25日(金)
会場:東京都渋谷区道玄坂2-25-12道玄坂ビル4F(ユニオンテック株式会社オフィス)
講演者:株式会社G ARCHITECTS STUDIO 一級建築士 田中 亮平 / RYOUHEI TANAKA
1981 岡山生まれ
2004 名古屋市立大学芸術工学部 卒業
2006 東京都立大学大学院修士課程 修了
2006-2013 隈研吾建築都市設計事務所 勤務
2013 G ARCHITECTS STUDIO 設立
2014-2022 名古屋市立大学非常勤講師
2021 日本大学非常勤講師
2023 法人化により株式会社G ARCHITECTS STUDIOに改称
2023 東京都立大学非常勤講師
★★★次回のチラシを載せる★★★
ぜひ、最新情報は「デザイナーズエッジ」公式サイト・SNSにてご確認ください。
「デザイナーズエッジ」は、空間設計に携わる全てのデザイナーに向けた、刺激と出会いの場です。これからも多くの成長の種を育む場として、続けてまいります。