中央工学校
村田優 氏
デザインの最前線で活躍するプロフェッショナルが集い、アイデアを共有し合うイベント「デザイナーズエッジ」。本イベントでは、異なるジャンルのデザイナーが刺激を受け合い、新たな視点を獲得する貴重な場となっています。今回は実際にイベントに参加した学生さんに、その体験や気づきを伺いました。
どのようなインスピレーションを得たのか、また、それが自身の仕事や考え方にどう影響を与えたのか――「デザイナーズエッジ」が生み出す価値を、リアルな声とともにお届けします。
クリエイティブへの思いと将来像
ーーーなぜ、建築の道を選ばれたのでしょうか?
20歳のときにこの学校に入学しました。中卒で、周りの友人たちが手に職をつけたり、良い大学に進んだりしているのを見て、「自分はどうしようか」と考えるようになりました。そこで何か資格を取ろうと考え、「建築免許を取ろう」と思ったのがきっかけです。
もともとものづくりには興味がありましたが、なかなか挑戦できずにいました。でも、「建築なら頑張れば資格が取れるし、続けられるかもしれない」という気持ちがありました。法律の勉強も一瞬考えましたが、やはりものづくりに携わりたいという思いが強かったです。
ーーー学校での勉強を通じて、自分の得意・不得意は見えてきましたか?
建築については法規や力学、図面を描くこと、BIMを使った作業など幅広く学んでいます。パソコン操作が得意で、CADやBIMを使うのが楽しいですね。ただ、法規と力学は苦手です。特に法規は覚えることが多くて大変で、「覚えること」よりも「作ること」に興味があるというのが正直なところです。
ーーー将来的にインテリアデザイナーへの道も考えているのでしょうか?
もしインテリアデザイナーになるなら、Designers Edgeがきっかけになると思います。ただ、今のタイミングで建築設計ではなく内装デザインに進むのは悩ましい部分もあります。それでも、どちらもやりたいという気持ちが強くなってきています。
建築やデザインの幅が広がり刺激を受けられる
ーーーDesigners Edgeへの参加を決めたきっかけは何だったのでしょうか?
第1回から第3回まで参加しました。最初は学校の先生に勧められて、どんなイベントか分からないまま参加しました。でも、参加してみると自分にはない発想に触れることができて、本当に良かったと思っています。
建築の学校だと、インテリアデザインという職業への理解があまりなく、学んでいる内容も違うので新しい発見が多かったです。特に神田さんのデザインには惹かれました。また、社会人と話す機会も少ないので、異なる分野の方との交流は貴重な経験になりました。
ーーー特に印象に残っているお話はありますか?
株式会社Old Kan浦田晶平さんが講師の第1回が初めての参加で、未知のデザインの世界に触れました。「こもれび天井」の話や、小坂竜さんのもとでの修行時代についてのエピソードが印象的でした。自分のスケッチをぶつけることの大切さも学びました。
第2回株式会社ドイルコレクションの井上愛之さんはプレゼンの構成が素晴らしく、起承転結がしっかりしていて、伏線の回収もありました。ミスタードーナツのブランディングについても勉強になりました。
第3回の株式会社ロイトの神田亮平さんは、一番好きなデザインでした。内装のインパクトが強く、創作意欲が湧きました。「信念があれば頑張れる」という言葉が響きました。将来的には独立も考えています。
ーーーこれからDesigners Edgeへの参加を検討している方へ、メッセージをお願いします。
デザイナーズエッジは、「見識が広がるイベント」です。独立したい人にとっては社会を知るきっかけになり、将来の計画に具体性が出ると思います。神田さんのような方のデザインをまた見たいし、デザイナー同士の対話も興味があります。
建築やデザインの幅が広がるだけでなく、社会人としてのリアルな話も聞けるので、毎回参加して良かったと感じています。毎回違った視点での話があり、刺激的なイベントでした。
(左から)ユニオンテック デザイナーズエッジ事務局 松森、村田氏